五月蝿い羽音を黙らせろ


気休めのワンクッション。
思いっきりえろです。
でも萌えません。
あと臨也君がうざい。
シズちゃんがわりと酷い。
2人とも互いが大嫌い。
に、見える。
以上宜しければ。









「――ま、必然ではあるよね。」
 男の割に細い身体とか、整った顔立ちとか、感じやすい性感帯だとか。粗方抱き心地の良い男だと言うのに、情事の最中ぺらぺらと喋り出すのはどうしようもない欠点だなと静雄は思う。
 臨也は静雄の身体の下で憎たらしい笑みを浮かべ、今自分が置かれている状況を完全に理解した上で言葉を続けた。
「シズちゃんが抱いたりしたら大抵の人間は壊れちゃうでしょう。俺だけだもんねえ、壊れないのって。」
「黙れ。」
「っあ、はは、図星つかれちゃっ…ぁ、ん」
 身体を繋げたままだった静雄に最奥を突かれて臨也が喘ぐ。それでも貼り付いた笑みが消えないことに静雄は苛立った。
 自分だって分からない。何故こんな男を抱くのか、その理由は。多分、理屈や理由なんて存在しない。そしてきっと考えない方が良い。だから、答えないでそのまま質問に変えて打ち返す。
「じゃあ訊くがよお、手前は…何で抱かれてるんだかなあ?」
「っは、あ、ああ何でかなあ。っ、君の顔が見たいから、か、な。」
「…俺の顔だ?」
「結構傑作だよ?ボーダーライン探してるんだね。どこまでなら壊れないか。、は」
 あああっ、と臨也が甲高い矯声を上げた。ぺらぺらと喋る声は気に入らないが、この男にしては高めの喘ぎ声は静雄も嫌いではない。男を、それも大嫌いな人間を抱いているという感覚を忘れさせてくれるからだ。要するに、臨也の言っていることは恐らく正しいのだ。本当は女を抱きたい。が、出来ないから代わりで済ませているということ。我がことながら吐き気を催す事実だったが、まあ相手が臨也ならいいかとも思う。
 臨也相手に遠慮なんてする意味がどこにある?
「よっぽど化け物と認識するのが嫌、ぁん、なん、は、だ、んぅ」
 挑発すればより酷くされることなど分かっているだろうに、臨也は放っておくと口を閉じない。マゾヒストでも気取っているつもりか知らないが、これ以上耳障りな声を聴いているとこちらの理性が灼き切れる。臨也相手に理性など不要だと思いながら、理性を失わせるのが臨也の目的なのだから、失えば負けだ。臨也に負けるつもりはない。静雄は臨也の薄い唇に噛み付いて口を塞いだ。
「ぅ、んぅ、はっぁ」
 無理矢理に舌を絡めとって、綺麗に並んだ歯を丁寧に舐める。口内に溜まった唾液を吸い取るとつうと口端から雫が滑った。
 口付けはそのままに腰の律動を速める。上と下から響く水音が酔いそうになるほど淫らだ。これで、相手が臨也でなければの話だが。
 舌の動き回る肉壁が自分の口なのかはたまた臨也のそれなのか分からなくなった頃、漸く静雄は臨也の唇を解放した。息が上がっているのはお互い様だ。そろそろ、限界が近い。
 静雄はサングラス越しに臨也を眺め、それから、よく臨也がそうするように口端を吊り上げて笑った。
「勘違いしてんじゃねえか、イザヤ君よお。」
「…何のことかな?」
「手前も気付いてんだろ。俺が手前を抱くのはよ、」
 不意に静雄が臨也の中に埋め込んでいた自身を入り口際まで引いた。
「手前なら壊しても構わねえからだ、よっ」
「っああああっ」
 言葉と同時に勢いに任せて最奥を再び貫く。突然襲い来た衝撃に、呑み込んだ臨也の内壁が静雄のものを締め付ける。2人の情事に配慮などという概念があるはずもなく、当然の帰結として静雄は臨也の中に精を全て吐き出した。
「…はっ、本当に手前は――」
 流石に息を切らせながら静雄は己の下で自分と彼自身の精液でぐちゃぐちゃになってぐったりとしている臨也の、その表情を見て吐き捨てた。
「素直になる気がないなら舌噛んで死んじまえ。」




茶会ログ+α
最後の臨也君の表情は御想像にお任せします。静臨の裏はさあほら、シズちゃんが酷ければ酷いほどいい。
書く度にえろの難しさを実感します。えろって何なの。何がどうすりゃ萌えるの。
誰か私に喘ぎ声の書き方をレクチャー頼む。